社会人1年目。
全社研修と所属部署での研修が合計半年。
その後、いきなり一人前になるわけもなく、業務でOJT。
何人もの先輩や上司から教えてもらった。

そんな環境で必死で仕事をこなしていたら、いつのまにか2年目。
ある程度力が付いてきたなと思う一方で、
教えてもらった先輩のように、後輩に教えられるのかと不安になった。

そこまで体系的にわかってるわけじゃない。

ところが、当然のように研修講師を担当することになる。
でも仕事もあって、準備も十分にできない。
研修前日になって、慌てて研修資料をしたてあげたりした。

作りながら、なんでこうなってるんだろう?と疑問が出てきた。
けど知らない。わからない。
かといって、ググっても出てこないような専門知識。

でも当日。不思議なことが起きた。

資料に沿って教え始めながら、つい、自分で自分の疑問を話してしまった。

すると、次の言葉が勝手に出てきた。
「じゃあ実際にどうなってるか見てみよう」と。
そしてさらに、仮説まで浮かんできて、浮かんだまま話し始めた。

そしてその場で確認したらその通り。
後輩も理解が進んだようだった。

なんだこれ。

その後、教えるに従って、知識が付いていく感じがした。

教えるために、普段何気なく使っている知識を再構成し、
どうやったらわかりやすくなるかを考えたら、
自分もわかりやすくなる。

そうしていたらヌケモレに気づいてくるし、疑問も湧いてくる。
すると教えられるようにするために調べる。

当日は、話していたら、なぜか頭がすっきりしてきて、
よりちゃんと理解できた気がしてくる。

自分で思いつかない観点の質問をもらい、違った視点で考えるきっかけになる。
答えられないとしても、わからないことに気づくことができる。

講義の場でなくても、例えば仕事中に
チームメンバーから質問をもらって、教えたりすると、
それはそれでまた学びになる。

教えることって、教わることなんだと気づいた。

ところで、何度か、お金をいただいて英語を教えたことがある。
僕はある程度英語が話せるものの、そこまでできるわけでもない。
ところが請われて、それならやってみようと引き受けた。

そうすると、せっかくお金を払ってきてくれるなら、
それだけの価値を提供しないといけない。

受講者が求めるものはなんだろうか、
どうすればより身につくだろうか、
おもしろく聞いてもらうために何か工夫できないか。

内容も、質も、雰囲気も、いろいろ工夫する。
お金をいただくことによる責任感。
それでも最初は本当に不安だった。

ところが、終わってみたら満足いただけたらしく、
その後も何度か経験させてもらうことになった。

毎回やや不安ながら、それでも英会話初心者よりは、できる。

初心者がいきなりぺらぺらな外国人に話しかけられないけど、
僕なら安心してくれるかもしれない。

そんな風に自分をごまかしながら教えていたのですが、
どうやらそれがよかったのかもしれない。

結果として、知識もだけど、自信も付いた。

そういう意味でも、教えることで教わった。

今度も、教える、という場を積極的に作って、
自分の知識や経験にしていきたいと思う。

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