シリコンバレーで働くパキスタン人。
12月上旬に、帰省途中のトランジットとして東京に寄り、我が家に遊びに来てくれた。

そんな彼と語っていたらシリコンバレーの働き方や東京、日本、そしてイスラム教に話が及んだ。
せっかくなのでシェアしたい。

前準備無しの外国人が東京を歩いたらどう感じたか

チョードリー氏の東京滞在はたったの2泊。
到着日はホテルに16時頃に着くやいなや、耐えきれず睡眠(時差ボケ。シリコンバレーだと0時)。
そして、夜中に目覚めて深夜に仕事をしたまま2日目を迎えた。
2日目は明るくなってから、朝昼と少し適当に歩き回ったとのこと。

せっかく来たんだから、何か文化や歴史を感じるものが見たいというのが彼の期待だった。

前準備無し。まったく調べもせず歩き始めた彼。
その感想を聞くことができたのでまとめてみたい。

石碑(marcelokato / Pixabay)

文化や歴史について見つけたものと見つけられなかったもの

第2次世界大戦に関する碑を見つけた。
そこで思ったが、日本はいつからアメリカを嫌いじゃなくなったのか。
アメリカはテロで何千人か死んだらその国が憎い。原爆はその比じゃないはずだ。

なるほど。確かに嫌っていても良さそうなものなのに、かなり好印象なんじゃないかと思う。
とはいえ、イギリス人やフランス人はドイツ人が憎いのかというと、そして、アメリカ人が日本人やベトナム人が憎いかというと、そうでもないんじゃないかな。

僕も戦争の時代に生きたわけじゃないからわからないけど、国としては鬼畜とまで呼ばせていたアメリカが、いつのまにか憧れの対象にすらなった。お菓子を配ったり、映画を見せたり、他にもきっと様々な融和策がとられたんだろうと思う(アメリカ文化を植え付けるためでもありますが)。

ギブミーチョコレート的なのとか(skeeze / Pixabay)

東京でもっと歴史的なもの、伝統文化を感じさせるものが見つけられなかった。 友達が京都を勧めていたが、キミ(コナン)の話を聞いても、次回は京都に行くべきだと思った。

とりあえずぶらりと歩いたらそうなると思う。
東京は都会でもあり、歴史ある街でもあり。でも知らずに歩き回っても見当たらない。
本当には様々ミックスされた、とっても興味深い街だと思う。

でも、日本人である僕にとっても、知らないことだらけ。
こういうリクエストを持った人にとっては、知ってる人に案内してもらうのが一番良いと思う。

ちなみに観光業ではない知り合いが通訳案内士という資格を取ったので、ニーズがあればどうぞ。
(と、日本語で書いても意味ないのだけど、紹介したい人がいればつなぎます)

江戸時代の絵にも現れそうな景色の背後はビル群(Pexels / Pixabay)

 

食事について

ランチは結局パキスタンレストランに入った

ムスリム(イスラム教徒)のチョードリー氏。食には制限がある。
ハラルなレストランが見つかりにくく、何が入ってるかわからないからだろう(ちなみに、醤油、味噌、料理酒、味醂はすべてアウトなので和食はかなり厳しい)。

下調べしなかったらどこでもなかなか難しいものの、外国人や宗教上その他の制限がある人にはなおさら難しく、母国の料理に落ち着いたのかもしれない。

日本は観光資源が圧倒的に多い国だと思うものの、外国人への配慮は英語だけではない。いろんな国の生活を知ると、見えてくる課題はたくさんあるはずだ。

是非チャレンジしてほしいが、壁は言語だけではない(moritzklassen / Pixabay)

 

アメリカに住むイスラム教徒のイラン観

僕が海外のいろんな国に行ったことを話していたら、彼はイランに興味をとめた。
イランはどんな国なのかと。
アメリカにいると(日本にいてもだけど)イスラム教徒にとっても恐怖の国と映っているのかもしれない。

僕たち夫婦にとって、イランは本当に良い国だった。
イラン人が圧倒的に人が良いというような話をしたのだが、そのへんはこちらで。

イランに行ってみたらイメージが大きく変わった話

一方、イランで会った若者は意外にもアメリカに行きたがっていて、でもビザの関係で難しいから、その代わりとしてカナダに行く人も多い、という話をした。

実際にテヘランで泊まったホストファミリーの親戚はカナダで暮らしていてテレビ電話で会話するところを何度も見かけたし、テヘランで出会った大学生の女の子もそうだったし、逆にカナダから日本に旅行に来た女の子3人組のひとりは親がイラン人だったこともあった。きっと珍しいことではない。

本文とは関係ありませんが、イランでの写真。いい人だらけ。

すると、チョードリー氏はこう言った。
「アメリカに行きたがるイラン人がいるというのはよくわかる。イランはイスラム教の戒律に厳しいから、特に女性や、お酒を飲みたいような人には不満だろう」

チョードリー氏もムスリム(イスラム教徒)。
チョードリー氏の自宅でのホームパーティの写真を見せてもらったら、美人の奥様や知り合いの女性はヒジャブ(女性が髪を隠す布)をしていなかった。

仏教徒もいろいろいるように、イスラム教徒も一概にどうということもない。
マレーシア人のイスラム教徒の友達は、豚は食べないけどビールで一緒に乾杯する。
トルコなんて多くはイスラム教徒のはずなのに、ヒジャブをしていない女性が多いどころか半袖短パンだったり、ワインビールが普通だったりするくらい、ゆるかったりする。

そもそもイランのヒジャブのかぶり方はとんでもなく緩い。
マレーシアとかインドネシアは競技用水着のキャップのようにぴっちり、髪を隠すようにかぶっているのに対して
イランは着けなければいけないファッション、という感じで髪の毛見え放題。
そしてイランはそもそもワインなどお酒が大好きな国民性だったりもする。

まあ、そういうもんなんだろう。

イスラム教だからと言って、厳しいんだろうとか、勝手に偏見を持つのは良くなくて、
イスラム教徒の人が言うように、戒律について、彼らは「選んで」それを実行しているに過ぎないんだと思う。

 

そんな彼の滞在はたった1日。
ぜひもっと一緒に話してみたかったと思った。

 

(なお、前編はこちら)

シリコンバレーのデベロッパーと語り合った夜 1.働き方編

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