エジプトのカイロに到着した翌日。
Couchsurfingで連絡をくれていたAhmedがピラミッドを案内してくれるということで、
ホテルの朝食を食べてお迎えの11時を待っていました。
そこまでの、そしてそれからの一連のやりとりの中で、
ムスリム(イスラム教徒)の行動と日本人の行動について、いろいろ驚かされるのでした。
Ahmedとのやりとり
Ahmedは事前のメールのやりとりの中で、なぜ良くしようとしてくれているのかと聞いたら
だって預言者のムハンマドに旅人をもてなせって言われてるから
と軽く返事が来て、考え方の違いに驚かされた。
何でも親切にやってくれるというのは、旅行者視点では警戒すべきなのですが、
Couchsurfingのお互いにシェアをする文化とはそういうものかも、とも思い、
こちらも日本の文化とか旅の経験とか、できることはどんどんシェアしようと
メールしていたら、どうやらそれとは大きく異なる価値観の様子。
そしてCouchsurfing上のレビューは高評価。
信じて待ってみようと思っていたらホテルの人から、
ピラミッドに行くならドライバーと案内を紹介しようか?
二人だけで行くと相当いろいろ面倒なことがあると思うぞ。
知り合いがいるのか?インターネットで知り合ったって?
いいやつだったらいいけど、気をつけろよ。悪いやついっぱいいるから。
何かあったらすぐホテルに電話してきてくれて良いからな。
などという、親切なのか脅しなのかわからない言葉までいただく。
事前にネットでエジプトについて調べたときも、勧誘が鬱陶しい国だと読んでいたが、
いったいどんな国なんだ。。
ちなみにこのホテルのおじさんもとてもいい人だったのだが、それはまた今度。
さらにちなみに、エジプトでは金曜日と土曜日が週末(一般企業の休日)。
イスラム教は金曜日が休みですが、イランでは木曜金曜、エジプトでは金曜土曜という違いがあるんですね。
AhmedはSEで、今日は週末で休みのようでした。
しかしSEらしく、週末でも仕事に行かなきゃいけないときがある、と言ってました。
そのあたりの事情は変わらないんだな。
Ahmedのお迎え
ホテルのすぐ外にあるイスに座って待っていたら約束の11時にAhmedからメール。
「ごめん、違うホテルに行ってしまった。だいぶ時間かかっちゃう」
というわけで彼が到着したのは1時前でした。けど来てくれた。
まず彼は近くのモスクに車を停めてお祈り。
ムスリムは1日5回のお祈りをするので、これは必要な時間です。
そのことを理解しているので待っていたのですが、
停めていた場所が政府系機関の場所近くだったらしく、
動かさないとタイヤをパンクさせるぞ、と言っている雰囲気で、奥には銃を持った兵士も。
アラビア語でいろいろと言われましたが、まったく何を言ってるかわからず。
Google翻訳もアラビア語はマイク入力できず、なぜか彼は手書き入力も拒んだので
まったく意思疎通ができない。
と困っているところにAhmedが戻ってきて事なきを得ました。
Ahmed曰く、モスクの駐車場が一杯の時はここに停めても良いらしい。
プレゼント
ピラミッドに向かう途中、大きなモスクが見えてきました。
すごーい!と写真を撮っていたら観に行く?と言ってくれて、近くの駐車場へ。
そこで「はい、これプレゼント」と。
僕とヨリコにひとつずつ、小さなキーホルダーのようなものをくれました。
いきなり「おもてなし」です。
ちょっとしたものであっても、その心遣いに驚きです。
ラマダーン(断食月)に使う物の小さいバージョンらしいのですが、
詳しいことはわかりません。
とってもいいやつだった
そしてたくさん案内をしてくれ、食事までごちそうしてくれた。
駐車場代、各種施設への入場料、食費など、いくら払おうとしても
君たちは僕のゲストなんだから、僕が払うよ
の一点張り。まったく払わせようとしてくれない。
日本でビジネスマン同士のやりとりをしているかのような状況。
どういうことなんだ。。
イランといい、エジプトといい、ムスリム(イスラム教徒)の人たちは本当にいい人だらけ。
エジプトの慈善団体に感動
AhmedはRESALA Charity Associationという慈善団体にいたことがあるそうで、
夜のナイル川を観に行ったとき、その活動について話してくれたのですが、
とても素晴らしいと思ったのでシェアします。
- 子供がいない老人の身の回りの世話だけでなく、話し相手になったり、
ナイル川のクルーズに誘ったり、芸を見てもらったりして、
ふさぎ込んでいる気持ちを明るくしたりしている。 - 目の見えない人や耳の聞こえない人などハンデを持つ人にも同じようなことをしている。
- 生まれつき目が見えない人を海に連れて行って、(もちろんサポートしながら)
海で泳いでもらう経験をしてもらうということもしている。
生まれつき目が見えず、40年間一度も家から出たことがない人を、
海に連れ出したときの感動はすごく印象的だったんだとか。 - これらをすべて寄付とボランティアでやっている
日本にもそういう慈善団体はあるんだと思いますが、本当に頭が下がります。
でもAhmedは、日本にある点字ブロックのことを知っていて、
日本はハンディキャップのある人に対して優しい国だと言っていた。
歩行者用信号の音など、ハード面での整備は進んでいる部分もあるかもしれませんが、
人々の心というソフト面では、理解が進んでいるとは思えないことも、たくさんあります。
点字ブロックの上にお店の品物が置かれてしまっていたり、
そもそも点字ブロックの位置も、車道ギリギリや、プラットフォームの黄色い線ギリギリだったり。
そういう意味では、(エジプトについても日本についても)いい面だけを伝えられているから、
その国ってすごいんだな、と思うのかもしれませんが、
それでも、良いところはお互いうまく盗んでいったら良いんだと、僕は思います。
(うまく文章がまとまってないですが)
日本人とムスリムの共通点
そして二日間案内してくれた帰りにAhmedから聞いた興味深い言葉。
これにとても驚かされた。
昨日の子供達がHelloと話しかけてきたり写真を撮りに来たり、今日はたくさんの人が勧誘してきたり。
そんな旅人に迷惑をかける行為をしろなんて、ムハンマドは言っていない。
ムハンマドは旅人をもてなせと言っている。***という人(名前忘れました)は完璧な人で、ムスリムの行動はこうあるべきだと テレビで説いている人なんだけど、
彼がたびたび日本人の行動について話している。彼は何度も日本に旅したことがあるそうだが、いつも笑顔で迎えられ、おもてなしを受けるそうだ。
日本人のほとんどはムスリムではないが、日本人はムハンマドが勧めた行動をしている。
彼が日本人のことを話すから、多くのエジプト人は日本人が好きだ。ムハンマドは人々に常に笑顔であれとも言っている。
だから僕はいつも笑顔であろうとしている。
だから友達にも好かれる。時々友達からなぜいつも笑顔なんだと言われるが、ムハンマドがそうしろと言っているからだ。
君たちもこの二日間いつも笑顔だった。
やっぱり日本人はすばらしいと思う。
僕も一度行きたいと思っている。僕はゲストである君たちに責任を持って楽しんで欲しいと思っているから、
君たちが笑顔でさえいれば、僕はそれで良いんだ。
イランに行っても、エジプトに行っても、みんな本当に穏やかでいい人が多い。
(カイロやギザの観光地や観光客目当ての店は鬱陶しくふっかけてくる人が多いけど)
そして、日本以上に「おもてなし」の国だなあと感じる。
「どこから来たの?」
「日本」
「ウェルカム!」
こんなやりとりをイランでもエジプトでも何度もされた。
ヨリコが言ってたけど、外国人を見て「ウェルカム!」って言える日本人がどれだけいるだろう。
でも、彼らにとっては、日本人は親切で「おもてなし」上手だと思ってくれているらしい。
日本の来てくれた外国人に対して、その期待に応えるような行動をしていきたいなと感じました。
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