世界第4位の収容規模を持つマレーシア最大のモスク ブルーモスク。
クアラルンプールから電車とタクシーで1時間弱の距離にあります。

外観、内観ともに美しいのですが、ここの魅力はそれだけではありません。
イスラム教の考え方に触れることができるのが、日本人にとってはとても新鮮で、
偏見を持っているなら、これをがらりと改めさせることになる経験ができるかもしれません。

ブルーモスクまでの移動手段

クアラルンプールから電車で35分程度(2.5RM(約60円))の場所にあるシャーアラム。
そこからタクシー(UberライクなアプリGrab利用)で10分程度、10RM弱(約230円)のところに
ブルーモスクはあります。

具体的には、KL Sentral駅でKTM Komuterという鉄道会社で、
Port Klang Lineという路線でPil.Klang(ポートクラン)行き(か、そっち方面)に行くと良いのですが、
KL Sentral駅の入口の改札のようなところは素通りでき、その後ホームに移動すると、ホームの所に改札があります。

不思議な構造。

どこが正しいホームかわかりづらいので、駅員か客にShah Alamと言えばたぶん教えてくれます。
ちなみに鉄道はだいたい遅れるのと、運転感覚も長いので、相当待たされます。

 

Shah Alam駅で降りたら、GrabでBlue Mosqueに向かいましょう。

駅前で待ってるタクシーの運転手が、外国人と見れば寄ってきてBlue Mosque?と言われますが、
タクシーだと正規運賃がわからず、かつ余計なガイドを買って出たりするので、Grabで行くのが賢明です。

 

ブルーモスクに到着

規模が大きく、美しいと聞いていたので、是非観てみたいと思っていました。
どうやら日本人に人気らしく、観光で訪れる人のうち大多数が日本人のようです。。。

なんか他の日本人と同じと思うと、ちょっと負けた気分だけどまあいいや。

ブルーモスクとは通称で、正式名称はマスジド・スルタン・サラディン・アブドゥル・アジズ・シャーというらしい。長い。

そんなブルーモスクは、やはりとても美しかったです。

 

ブルーモスクで身近に感じられたイスラムの教え

ブルーモスクは1組に1人のガイドが無料で付いてくれます。
そして、イスラムの考え方をたくさん教えてくれました。

これがとても新鮮で、おもしろかったので、興味を持った部分をシェアします。

女性について

イスラム教では女性は差別されているわけではありません。
むしろ、女性は男性よりも上位の存在のように丁重に扱われます。

  • 祈りや集会の場所を男女で分ける
  • 女性は髪と肌を隠す必要がある
  • 女性は必要以上に外出しない

これだけを聞くと、女性は不自由であるように感じるかもしれませんが、
どうやら、違っているようです。

ガイドの話を聞いていると、僕の誤解が大幅にあることを承知の上でですが、
以下のような考えがあることがわかりました。

女性を守られるべき存在である

神が人間を作られ、男が一人でいるのはよくないと、女を作った。
その際、女は男の肋骨から作られた。

創世記にある話。
キリスト教で言う旧約聖書は、イスラム教、ユダヤ教も共通。

男性からすれば、自分の肋骨の一本からできている女性が怪我をするということは、
自分の一部が怪我するということ。だから守らないといけない。
そして、女性はお腹に子供を産むとき、10ヶ月もお腹に宿し、痛みに耐えて出産をする。
男性は願ってしようと思ってもできない。
だから、女性という、ただそれだけで尊敬に値する。そして守るべきものだ。

なので、守るために、大事なものを包むために、全身を布で覆う、ということでした。

女性は美しく、男性は女性に惑わされる生き物である

一方、場所を隔てることや、布で覆うことには、別の意味もあるようで。

男というモノは、女性の髪と肌に誘惑されてしまうものであり、これは仕方ないようです。
礼拝堂で、男性は前、女性は後ろと場所を分けて祈るのは男性が優遇されているのではなく、
男性の目線に女性が入らないようにすることが目的のようです。

「だって、お祈りをしてても女性が見えたら集中できなくなるでしょ?男ってそういうもんじゃない?」
「女性は尊敬すべき対象だから前にしたいんだけど、それだと男が集中できないから、仕方ない」

敬虔そうに見える60歳近いガイドの男性にそう言われると、急に親近感を覚えてきた。

街中で男性に急に襲われないようにするためにも、隠せるところは隠す。
これは女性として誇らしく生きるためにも、身の安全を守るためにも、
女性が選択して着ているものらしいのでした。

従って、女性だけがいる場所と、家の中で家族のみがいる場所でしか外さないものであるらしい。
(この後の旅で外しているのを何度も見ており、実際にはそうでないこともあるんだけど、基本としてはそうらしい)

考え方
善い行いをすれば死後安泰

神は万能であり、すべての行いを見ておられる。
教えを守り、善い行いをするならば、死後は天国に行ける。
そうでなければ、苦しみ続ける地獄に行くことになる。

右肩には善い行い、左肩には悪い行いが乗っており、見たらすぐわかるようになっている。
死後は永遠。そこから比べれば生きている間など、とても短い間。
であれば、現世の快楽ではなく、死後のために祈り、毎日善い行いをする。

富は分配されるべきもの

富は分配し、みんなで幸福な生活をするために用いられるものであり、
富を持つものは貧しいものに喜捨するというのがイスラム教の考え方。

五行と呼ばれる、イスラム教徒が実行すべき5つの義務に以下のものがある。

  1. 信仰告白
  2. 礼拝(サラート)
  3. 喜捨(ザカート)
  4. 断食(サウム)
  5. 巡礼(ハッジ)

喜捨はこの中に組み込まれている。
従って、貧しい人への寄付行為は、金銭・食料・日用品等々、日常的に行われている。

ガイドのおじさん曰く、中東に石油が出たとき、急激に富を気づいた国家は、
社会福祉やインフラにお金を回し、国を良くした。
一方で、アフリカでダイヤモンドやレアメタルが出たときは、欧米がコントロールし、
富を分配せず独占しているため、アフリカは貧しいままだ、と。

最後の下りは都合の良いように捉えている向きはあるものの、そうかもねとは思える内容ではある。

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ところでガイドはみなさんボランティアでやっているらしい。
実際に行ったときは、観光客に対してただ見てもらうだけじゃなく、
布教の一環だったり、少なくともイスラムに対する誤解を解きたい、という目的かなと思っていた。

けど、いろいろと国を回って思うのは、きっとそんなものではなくて、
客人をもてなすことや、モスクという地域のコミュニティに尽くすことが教えのひとつであり、
これを忠実に守ろうとしている敬虔な想いなんだろうなと思う。

イスラム教は日本では馴染みが薄く、テロばかりが取り上げられるので、とっつきにくい印象かもしれませんが、
とても穏やかで、平和で、日本人からすると近い考えを持つ人が多い印象です。

ぜひ、マレーシアに行く際は、ブルーモスクに足を運んでみては、と思います。

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