ジョージタウンの宿泊先は、Airbnbで観光地の中にあるおうちに泊まることにしました。
周姓橋Chew′s Jettyという桟橋の一角、というかほぼ最奥にあるおうち。
かわいいおじいちゃんと過ごした4泊5日でした。
クラン・ジェティ Clan Jetty
クランClanとは一族、ジェティJettyとは桟橋。
すなわち、同じ名字の親戚一族のみが住む桟橋。
ジョージタウンには、そんなクラン・ジェティが6つほどあります。
そして、周姓橋Chew’s Jettyとは、そんなクラン・ジェティのひとつで、周さん一族の桟橋です。
他にも林さん一族の林姓橋、陳さん一族の陳姓橋なんかが並んでいます。
ジョージタウンが港町として栄えていた頃、積み荷の運搬役を担っていた華僑(中国から移住した中国人とその子孫)が一族で固まって、桟橋の上に住んでいたらしく、今もその名残が残されています。
今もそれぞれの一族が住んでいますが、仕事はサラリーマンだったり様々なよう。
クラン・ジェティでは、陸から突き出た桟橋の上に家やお店が建ち並んでおり、狭い桟橋がメインストリート。
その上を人だけでなく、原チャも通過していきます。
周姓橋は最もオープンなクラン・ジェティのようで、観光客向けの店が建ち並び、いつも観光客でごった返しています。
今回宿泊することになった家は、そんな周姓橋の一角にありました。
夜は潮騒に包まれる、海に浮かぶおうち
周姓橋のほぼ一番奥にあるおうち。
桟橋の上なので、海につきだした場所であり、家は木やコンクリートの柱で支えられています。満潮時はギリギリまで水があがり、干潮時は数m下まで水が引く、ダイナミックな環境。
家の縁側のような場所は海に面していて、置かれているイスでリラックスできます。
昼前の干潮時にはハゼが干上がった泥の上をピチャピチャ飛び跳ねているのが見え、夜になるとすっかり海に覆われる。
常に海からの強い風がふいていて、暑い気候でも快適な温度だった。
すぐ近くにある内陸側に面しているので、波も穏やかなのだろう。
外洋を向いていたら波ですぐに水浸しになるに違いない構造であった。
夜になれば桟橋の店も閉まり、観光客も入らないような注意書きがあるので、とても静か。
波の音に包まれて眠る。
とはいえ暑いのでクーラーか扇風機がまわるのだけど。
家には部屋が4つあり、ひとつは家主に、残りはゲスト用にあてがわれていた。
外に面したところに縁側につながるリビングがあり、さらに半分外の場所に
キッチンと洗面所と洗濯機とトイレ兼シャワールーム、つまり水回りがある。
洗濯物もその近くのベランダのような場所に、飛ばないよう洗濯ばさみで留めて干されます。
と、ここまでは大変素敵なのですが、ひとつ大きな問題が。
それは水回りなのですが、といっても、海外でよくあるシャワーの問題ではありません。
トイレ兼であるものの、広さもあり、トイレな臭さがあるわけでもなく、問題ありません。
では何かというと、下水が無く、排水先がダイレクトに海なのです。
シンクも、洗面所も、シャワーも、トイレも。
トイレは水洗式ですが、そのまますべて海に、というか下に落ちていきます。
結果として、海が汚される、とか高尚なことを言いたいのではなく、辺り一帯がドブの臭いなのです。。。
涼しげな風と、漂うドブの香り。
それでも人間慣れてきちゃうのですが、やはりなんとなく臭い。
それを除けば、とても快適なおうちでした。
かわいいおじいちゃん
ここでのハイライトは、なんといっても宿泊先に住んでいる周おじいちゃん。
連絡を取ってくれていたホストの女性は別の家に住んでおり、
仕事や入院中のお母さんのお見舞いなどで忙しかったようで、滞在中も1回会えただけでした。
それでも、しょっちゅうメールをくれて、おいしいオススメのお店などを送ってくれ、とても親切でした。
代わりに僕たちの面倒を見てくれていたのがこのおじいちゃんなのですが、
英語が話せないので、会話はまったくできないものの、とってもとっても親切で、
いつもジェスチャーでいろいろ教えてくれました。
電気の場所など家の使い方を教えてくれたり、洗濯をやってくれたり。
おじいちゃんのゲストに対する行動パターンは、概ね以下の通り。
- 部屋に案内して、家の使い方を教える
- テレビを付けて、ゲストの国のチャンネルに変えたり、ゲストの国のことをやっていたら指さして見せる
- オレンジを切って提供する
で、何かあるたびにオレンジを切ってくれようとする。
こちらを見ながら、指でつかんで食べる仕草を繰り返す。
これがかわいくてかわいくて。
海外用NHKが見れるので、のど自慢とか演歌を時々見ているらしい。
ちょうどリオオリンピックの真っ最中だったので、日本の選手が出てきたら教えてくれた。
本当に良くしてくれて、会話はまったくできなかったけど、とても楽しかった。
また会いたいなと思いました。
(あいにく、本記事執筆中にお母様の訃報に接することになりました。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。)
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